月バレの排球塾読んでる?

月刊バレーボール2011年9月号で連載8回を迎えた「深層 真相 排球塾」…最近はこの連載が楽しみで、読み終わった後はPDFにしてEvernoteに保存しています。ある種の自炊です。いつか単行本にならないかな。
バレーボールの戦術を、極めて論理的に解説している連載ですね。


現在進行中の話題は、全日本女子の戦術について。
普段からTwitterの#vabotterでもよく話されている話題が、これでもかというくらい詳しく説明されています。
もちろん、自分のようなプレーヤー未経験かつ観戦歴の浅いファンだと、さっと読むだけでは理解しきれないこともありますので、ある程度自分のコンディションを整えてから読まないと本当に「流し読み」になってしまいますね。


筆者が提唱している、ブラジル男子型の「同時多発位置差攻撃」…
トスが上がる瞬間にはアタッカー4人が「本気で」攻撃の体制に入っている、という戦術ですが、これ素人でも守備側の視点で考えると「対処しにくい」のがわかりますよね。
セッターがトスを上げてからアタッカーがボールを打つまで1秒前後。それまで誰が打つかわからない。
仮に4人が1人だとすると、まあだいぶ違いますよね。
攻撃側からすると、セッターが常に4通りの攻撃を選べる。頭を使う負担が減りそうです。


普通アタッカーにトスを上げるのはセッターの役割ですが、全日本女子だとなぜだかセッターがよく1本目を拾ってトスを上げられないので、2本目=トスアップをリベロが上げることも少なくないです。
その中でリベロが、これもなぜだかいつもアンダーハンドでトスを上げているわけですが、今回の排球塾でその弊害がやっとわかった気がします。
つまり、アンダーハンドでトスを上げる場合、ボールを上げる角度が限られる…例えばバックトスが無いので、アタックできるスパイカーが限られる。これでは同時多発位置差攻撃は実現できません。そう書いてあったわけではありませんが、自分はそう理解しました。要するに、敵も味方も「どこにトスを上げるのか、上げる前にわかってしまう」ことが問題なのかな、と。
もっとも、筆者の論では「アタッカーが攻撃動作に移らない以上、オーバーハンドパスをしても敵ブロッカーを振れない」ということです。このへんニワトリとタマゴ的な感じなのかな。


奇しくもなのかそうでもないのか、なのですが、巻頭の全日本女子ミドルブロッカー陣へのインタビューで「ブラジル男子チームのバレーを目指す」という記述があります。
そして排球塾には、現在の全日本女子の戦術とブラジル男子の戦術の違いが表でまとめられています。問題集の問題と解答かよ!と突っ込みたくなりますが、まあ確かに違いますね。でも課題ははっきりしているわけで。


プロフェッショナルとは、「基本」を「当たり前」に遂行すること。状況がそれを許さなければ、基本になるべく近づけること。
これはどんなジャンルでもそうです。ということを思い出したりしました。